金属を溶かしたり、加工して溶接するスペシャリストが溶接工です。
そんな溶接工のお仕事にも様々な分野が存在し、現場や作業条件によって専門の技術を持った溶接工や会社が担当することもあります。
今回は、配管分野に特化した配管溶接工について、どのような仕事内容なのかについて解説していきます。
配管溶接工とはどんな仕事なのか
配管溶接工は、文字通り配管を溶接する仕事です。
単に配管部分を溶接するだけでなく、作業条件の調査、溶接の工夫、さらには溶接完了後の検査といった仕事も含まれます。
まず、配管を溶接するにあたって周囲の条件を確認します。
天井に可燃性のものがないか、溶接の熱によって周囲が破損や火災にならないかといった危険性についてもきちんと調査確認を行っていきます。
配管溶接を行うことによってどのような影響があるかを事前に調査することから配管溶接工の仕事が始まるのです。
次に溶接を工夫して施工していきます。
これは、配管溶接工のメインの作業といえるでしょう。
被覆(ひふく)アーク溶接やティグ溶接、ガスメタルアーク溶接、さらにはセルフシールドアーク溶接や半自動溶接といった溶接手法を駆使します。
被覆アーク溶接は主に用いられる配管溶接で、「被覆材」と呼ばれる素材を2万度まで加熱して接続します。
ティグ溶接は、一般の溶接でも用いられる方法で、片手に溶接棒、もう片方の手で溶接トーチを持って加熱をして配管を溶接する方法です。
メリットは火花が飛ばないことで、周囲の影響をおさえられます。
ガスメタルアーク溶接は金属の電極ワイヤを溶接棒の代わりに利用するティグ溶接の一種です。
セルフシールドアーク溶接は、アーク溶接で用いるガスを使わずに行う方法で、きれいに仕上がる溶接方法です。
ただ、手間やコストがかかるため配管溶接工が活躍する現場では、あまり用いられません。
半自動溶接は、電極ワイヤが自動で出てくる機器を使った溶接方法です。
電極ワイヤを持っていた手を溶接トーチにできるので両手で作業できるメリットがあります。
現場でも、目にする機会は少なくありません。
最後に検査を行います。
超音波検査によって中身を確認していきます。
一般の溶接工と最も異なった仕事内容といえ、この検査ができるかできないかが一般の溶接工と配管溶接工の違いといっても過言ではありません。
場所によっては放射線検査によって、より精密な検査を行う場合もあります。
一般的に配管工と混同されがちですが、溶接作業が求められる分野については、配管溶接工が専門といえるでしょう。
また、配管溶接工が配管設置やメンテナンスといった知識や技術を持って配管工を名乗っている場合もあります。
配管溶接工で取得する必要のある資格とは?
配管溶接工は、ここまでお話しした通り、無資格でできる技術ではありません。
そのため、アーク溶接特別教育、ガス溶接作業者、溶接技能者資格といった資格を取得する必要があります。
アーク溶接特別教育は、アーク溶接を行うために取得しなければならない資格です。
実技や学科の講義を受けて2日間にわたって研修します。
ガス溶接作業者は、ガス溶接を行うための資格で、アーク溶接よりも難度が高い資格になります。
最後の溶接技能者資格は、配管溶接工のための資格といえるでしょう。
配管のための特殊な溶接技術を取得する資格であり、この資格がないと一般の溶接ができても配管溶接工の仕事はできません。
さらにこの資格は、溶接方法によっていくつかの種類に分類されているのが特徴です。
まとめ
配管溶接工は、配管における工事のスペシャリストです。
そのため、一般的な溶接とは異なった施工方法を用いることも少なくありません。
もし、この配管溶接工に興味のある方は、今回紹介した資格取得を目指して専門会社に勤務したリ、資格取得の勉強をして目指してみましょう。