溶接工は、両利きが有利な職業です。
また、右利きであっても左手が自由に使えないと作業ができません。
今回は、溶接工がなぜ両利きだと有利なのか、右利きの人が克服するにはどのような方法があるのかといったテーマで解説をしていきます。
これを知れば溶接工の現場作業がしやすくなるでしょう。
なぜ溶接工は両利きが有利なのか
溶接工が両利きで有利なのは事実で、その理由は狭隘(きょうあい)部が多いこと、Tig溶接自体が両手を使うこと、作業効率が求められる仕事であることからです。
まず、溶接工は勤務場所によりますが、狭い場所、狭隘部の溶接をする機会が多くあります。
近年は単純な溶接部分は機械による溶接が多く、溶接工のような専門家が活躍するのは、機械で溶接できないような狭い場所です。
そのため、右手だけでは溶接作業できない場合もあり、左手を使って溶接するケースも多くあります。
こういった場所で無理に右手だけで作業をすると、誤った場所を溶接しそうになったり、危険な目に遭ったりすることも少なくありません。
特にプラント配管の溶接を施工する場合は、他の配管がある中で、かなり無理な箇所を溶接するケースもみられます。
こういった場面で利き手以外の手が使えれば、より確実な溶接が可能となるでしょう。
Tig溶接自体が両手を使います。
Tig溶接とは、電気を用いたアーク溶接のことですが、タングステン電極をもって作業をするだけでなく、TIG溶接棒(溶加棒)も反対の手に持って作業をします。
そのため、反対の手の溶加棒のコントロールも求められ、両利きでなければ溶接するのにも手間がかかるのです。
作業効率を求められる仕事なのも両利きであることが有利な理由です。
溶接工は、一か所溶接して終わりという事はありません。
確かに現場で修理作業として、行うケースはあるものの、基本的にはどんどん溶接していく必要があります。
そのため、右手中心の作業を行っているだけでは、予定よりも作業が進まないケースも多いのです。
こういったことを考えると、左右自在に手が使える両利きの方が溶接工としては有利といえるでしょう。
溶接工が両利きになるには?
溶接工が両利きになる方法はシンプルです。
可能な限り、安全の範囲内で利き手でない方を使うことです。
代表的な手法として、食事、安全な作業で訓練、文字を書くといった方法が挙げられます。
食事は基本的に利き手でない方で箸をもって食べましょう。
確かに最初は大変なので、フォークやスプーンで食べるものを意識的に利き手でない方から始めるのがおすすめです。
安全な作業で訓練するのも重要です。
利き手でない方でやっても安全に作業できそうな場所は、なるべく利き手を使わないといった訓練をすることで徐々に溶接工として反対の手も使えるようになってきます。
とにかく作業を繰り返し行うようにして、利き手でない方の手も技術をつけていきましょう。
最後が文字を書く作業です。
仕事で文字を書くのは書類作成なので、利き手でない方を使うのは、望ましくありませんが、普段は反対の手で文字を書きましょう。
宅配物を受け取る際に利き手でない方でサインするといったことを行うのもおすすめです。
このように繰り返し訓練をすることで、徐々に利き手でない方でも溶接が行えるようになるのではないでしょうか。
まとめ
溶接工は両利きの方が有利です。
この作業ができるようになることで、迅速に困難な場所の溶接ができるようになります。
また、溶接棒の扱いもうまくなるので、利き手で作業をする場合も効率よくなるでしょう。
そうすることで溶接工としてのスキルアップも目指せ、自分の強みにもなります。
しかし、安全第一で作業を行うことが重要なので、無理をしない範囲で訓練に取り組むようにしましょう。